学生最後の夜に考えること

さて、今日は3月31日。今夜で学生という身分をひとまず終え(将来的にまたなるかもしれませんが。)明日から某ベンチャーに入社する学生最後の夜に考えることを、まとめてみます。

以下こんてんつ

1.大学院の二年間
2.経験のインテグレーション
3.圧倒的に足りなかった視点
〜どうすればgiveできる人になれるのか?

1.大学院の二年間

さて俺は2008年から大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻に入学したのだが、入学時に大学院の2年間で何をしたかったか、ということから振り返ってみたい。

  • 深い専門性と幅広い周辺知識を持った人材になりたい
  • 技術経営専攻の学生とコネクションをつくる
  • 一ヶ月以上、海外でインターンをしてみたい

というようなことが、当時のmixiの日記にも書いてある。
要は、初めから研究に専念しよう、なんて事は、大学院入学の時点でこれっぽっちも思っていなかった訳だ。笑

まず一番目の、深い専門性と幅広い周辺知識を持った人材、について。
これは達成できたと思っている。研究をしていれば必然的に専門性の一つや二つはできるし、副専攻で技術経営を履修し、インターンシップでもM&Aを扱う投資銀行部門などに参加したため、財務などビジネスに関する周辺知識はある程度みに付いたと思っている。

次に二番目の、技術経営専攻の学生とコネクションをつくる、ということについて。これは大いに達成できたと思っている。
一年の夏学期に唯一履修した授業が、「俯瞰経営学」という、技術経営の中でも一番ハードでビジネススクールもどきな授業。
5人1チームで一つの企業を選び、「10年後の技術戦略を考えよ。」、「どの企業をM&Aすれば企業価値が最も向上するか算出せよ」とかいう、社会にもまだ出たことない大学院生にとっては無茶振りとも思えるほどのお題を、チーム内で一週間で議論してまとめてプレゼン、もちろんその後Q&A。それを夏学期中ずっと繰り返す。
そんなことをやっていたため、必然とチーム内でも仲良くなるし、同じ授業をとっていた人にも「バイオの福栄さん」でなぜか結構認識して貰ったw そしてその後、副専攻として技術経営専攻の研究室にも所属し、研究会や忘年会や送別会にも顔を出させて貰った。唯一の心残りは、あと二単位不足で取り逃がした、ダブルマスターの技術経営専攻修了証か。まいいんです、いずれ将来アメリカで撮るので(キリ

三番目の海外インターンについては、まあ一応達成したかな?本当はIAESTEという理工系の学生を海外の研究機関にインターンシップで派遣するプログラムに参加する予定だった。で実際大学院一年生の夏に、もろもろの選考をパスして、ポーランドの大学の抗がん剤関連の研究室に2ヶ月インターンのオファーを貰ったのだが、結局就活・研究室とどうしても日程調整ができずに、泣く泣く断念。
その代わりといってはなんなんだが、代わりに大学院二年の夏にCIEEのプロジェクトに応募し、フランスで3ヶ月のワークキャンプに参加。詳しくは→ id:akkiicrocop:20090909
その後もフランス南部のリヨン、マルセイユ、ニース、ロンドンを一人旅できたし、まあ、当初立てた目標は達成できたかと。

と考えてみると、大学院入学時にやりたいと思ってた事は、意外とほぼ達成できてるな、と。

2.経験のインテグレーション

大学院時代は、一見方向性がばらばらなことばかりしていたけど、自分の中では一歩づつ階段を上がっている気がした。
バイオから技術経営へ、日本から世界へ。それまでの自分の快適ゾーンからあえて一歩、外へ踏み出すことをしていた。そして春休みも、サンフランシスコ/シリコンバレーへ訪問。大学院時代、何が一番財産に残っているかと言われたら、外へ踏み出した勇気、だと思う。そういう意味での、経験のインテグレーション。

3.圧倒的に足りなかった視点

さて大学院修了にあたっての最後の衝撃。それは、スローガン株式会社(またまた登場!)伊藤豊氏の一言。

  • ネットワークを作ろうにも、自分の中にコンテンツの蓄積、giveできるものがなければネットワークなんかできない。giveするものがない状態で作ったネットワークは粘着力がなく、すぐに離れてしまう。だからまずは自分の中でgiveできるコンテンツの蓄積を!

そう「どうすればgiveできる人になれるのか?」という視点。この視点があれば、まずは大企業に入って人脈を、とかいう発想は減るだろうし、新卒で外資コンサル、外資投資銀行に行きたい人の「多く」はtake的発想だったりするので。かつての俺がそうだったように。さて上記の伊藤氏の名言をその夜Twitterで呟いたところ、すごい勢いでRTされた。そして、

具体的にどうする?

というようなリプライも。その場で

専門性を磨く+それをうまくアピールする+他人へ無償の愛をgiveすることかと思います

と即レスしたが、今一度考えてみてもあながち間違ってはないかも。giveできるものは何か、と考えたところ、まあ普通に出てくるのが4大資産と言える、ヒト、モノ、カネ、情報。
ヒトをgiveするとは、自分の知人同士を結びつけるハブ的な役割。モノは、自分の技術だったり、自分が持っているプっラットフォームだったり。カネはマネーシャークラスの意思決定権を持ってから。情報に関しては、最新のIT・Webビジネスに関する情報をリアルでも、Twitter上で継続的に発信していこうかと思う。実際、シリコンバレー訪問から帰ってきてgive志向の一環として、向こうで面白かったトピックを全部Twitterで放出したところ、フォロワー数が劇的に増えたり、リプライで絡んでくれる人が多くなった。ので、give志向が結局は自分自身にもメリットが多い、という事は身を持って体感中。

あとは胡散臭く聞こえるかもしれないが、他人に対する無償の愛。幸い俺は生まれてこの方両親から無償の愛を貰い、学生生活でも多くの社会人・仲間に力を貸して貰った。今度は自分がgiveする番。初任給で両親に買う予定のプレゼントも目を付けた☆

そんな意気込みで、これからの社会人生活を過ごして行きたいと思う。