ブラジルの病院にモバイルソリューションを導入してきた話〜その2 リオ・デ・ジャネイロ編

前回のエントリーでは、ポルト・アレグリの病院にモバイルソリューションを導入してきた話を書きましたが、その続きです。

ポルト・アレグリの病院に導入が終わり、意気揚々とサンパウロに戻り、次はリオ・デ・ジャネイロのHospital Miguel Coutoという病院に導入することになりました。

サンパウロからリオ・デ・ジャネイロへ行く際は、イグアスに寄って、かの世界三大瀑布で有名なイグアスの滝を見てきたのですが、これはまた別エントリーで。

リオ・デ・ジャネイロと言えば、キリスト像や世界一綺麗とも言われる海と山が連なるカリオリ風景でしょう。

そして今回行ったHospital Miguel Coutoは、キリスト像のあるコルコバードの丘から車で40分くらいのところにある市立病院です。

前回のエントリーで書いた「Hospital Moinhos de Vento」と比べると建物も古く、病院内も患者さんが行列を作って並んでいて、雑多としてる印象ですね。

ちなみにブラジルでは公的保険があるのだが、公的保険で通える病院は限られており、ある程度所得がある人はプライベートで保険に入って、保険のランクに応じてより設備が整っていたり綺麗な病院に通える制度になっています。
恐らく前回の「Hospital Moinhos de Vento」が高所得者向け病院のようです。

ちなみに病院の食堂です。導入先の先生と仲良くなったお陰で、ランチが無料に。笑


さて今回の導入は事前に病院のエンジニアと全く連絡ができなかったため、病院内のシステムとアプリを接続する作業をほぼぶっつけ本番で病院内でやることになりました。
しかし案の定、ぶっつけ本番でやると苦戦します。

病院のエンジニアとパソコンの前に横並びになってGoogle翻訳を通じて会話

まず作業を始めるも病院のエンジニアがポルトガル語しか話せなくて、英語が全く通じません。
私も当時はレストランで注文したり、日常会話くらいならポルトガル語でできましたが、やっぱり仕事で使うにはまだ至らず。
そうこうしているうちに、一緒に導入に行っていたブラジルの営業メンバーが、次の打ち合わせがあるからと先にリオ・デ・ジャネイロからサンパウロに帰ってしまい、通訳してくれる人もいなくなりましたΣ(゚д゚lll)ガーン

そこで言葉で通じないならと、病院のエンジニアと二人で横並びになってパソコンに向き合い、お互いGoogle翻訳を使って英語⇒ポルトガル語ポルトガル語⇒英語にしてひたすら会話することにしました。

実はGoogle先生、日本語⇔ポルトガル語の訳は全く使い物にならないんですが、英語⇔ポルトガル語の訳は結構精度が高く、意外と何とかなるものです。たぶん他の言語にも当てはまります。

Google先生のお陰で、直接会話は通じないけれど、なんとか病院のエンジニアと意思疎通はできました。

病院のネットワーク設定…反映されるのは6時間後…?

しばらく作業をしていると、どうも病院のネットワーク設定を少し変更して貰う必要があるということが分かりました。で、早速病院のエンジニアに依頼すると「ここはリオ・デ・ジャネイロ市立の病院でネットワーク設定はどうもリオ・デ・ジャネイロ市の役所のような別機関が管理しているから自分にはできない。」と言い出しました。何か雲行きが怪しくなってきますね。

「ではその機関に連絡してくれませんか。」と言うと「それは自分の仕事ではない。」と言い出すではありませんか。
しかし「それは困る、この仕事を完成させないと自分は帰れない。だから連絡をしてくれるまで帰らない。」などと説得をしていたら、病院のエンジニアが電話してました。エンジニアは多少めんどくさがり屋だけど、根はいい人なようです。

そしてリオ・デ・ジャネイロ市の機関に電話でネットワークの変更依頼を出してもらい、これで一件落着、と思いきや、その機関の担当者から返ってきた返答は「変更は可能だが、設定するのはリオ・デ・ジャネイロ市の規則で夜19:00になる。」でした(´д`)工エエェェ

出張の予定は、当日19:00にリオ・デ・ジャネイロの空港からサンパウロに戻り、25:00にサンパウロからドーハ経由で東京に戻るスケジュール。

なので19:00まで病院で待てない…これは詰んだかΣ(゚д゚lll) と一瞬思いました。
しかしそこで、外部から病院内のサーバにアクセスできるようにして、後はサンパウロから確認すれ良いのでは!と思いつき、病院のエンジニアに許可を貰って外部アクセスツールをインストール。

そして予定通り19:00にリオ・デ・ジャネイロから飛行機でサンパウロに戻り、サンパウロに戻ってからゆっくりリモートアクセスして、全ての設定が完了していることを確認しました。

これが一番冷汗かきました。

で、こちらがおなじみのブラジルのドクターへの導入風景です。
たくさん集まってくれて嬉しい限りです。


というわけでブラジルの2都市、ポルト・アレグリとリオ・デ・ジャネイロの病院で、日本発のモバイルソリューションプロジェクトが動き始めました。

※2014年9月の活動内容です。