人間は過去にパラダイムシフトが起こったことは知っていても今あるパラダイムが変わってしまう可能性は考えない。

最近読んだ本で良かったものを。
まずは、冨山和彦さんの『指一本の執念が勝負を決める』

指一本の執念が勝負を決める

指一本の執念が勝負を決める

巷では戦略論、夢が叶うおまじないだの、といったテクニックの本が売れている。
じゃそんなテクニックの前に、そのテクニックを使うその人の器はどうなのさ?という所に答えてくれる数少ない本だと思う。

以下冨山さんの主張と自分の感想を交えながら。

人間は愚かにも、過去にパラダイムシフトが起こったことは知っていても、今あるパラダイムが変わってしまう可能性は考えない。
ゲマインシャフト型日本企業が作り上げた年功序列制や終身雇用、そしてそれ以前の一流大学→一流企業/高級官僚という暗黙の契約も、その時代を構成するパラダイムに過ぎない。
パラダイムは変わるものであるという事は、それらの年功序列制度や終身雇用、暗黙の契約も当然、いつかは変わるものである。
ただ幸か不幸か、日本は1960年代からのゲマインシャフト型企業体制で30年間以上成功してきたが故に、それらの暗黙の契約が親から子へ、というふうに一層強化されれいる。
実際に就職活動生を見ても、このご時勢もあってか、みんな縋り付くように商社やらインフラ系に行くではないかww
これらの企業が20年後も今の位置から滑り落ちている、というパラダイムシフトは考慮もせずに。

だってかつてはアメリカの栄華の象徴であった自動車産業は、今はもう息絶える寸前ではないか。

おれはやはり、既に成熟期に入った産業・企業よりも、今まさに発展している成長途上産業・企業で働くことが自分にとって一番メリットがある、という思考である。
だってその方が圧倒的に会社の中でのポジションもあるし、自分にチャンスも巡ってくる確立が多くてより速いし、自分が大きな権限を持てるじゃん。
かつての日本の終身雇用、年功序列も、人口増加と右肩上がりの経済成長が続いたからこそ、成り立っていた制度であるし。
しかしながら、そういう成長途上産業・企業というのは、得てしてネームバリューがない。
それもそのはずであり、トヨタソニーなどのネームバリューは、企業として十分に発展したからであり、生き残ったからこそのネームバリューなのである。

だからこそおれは名のある企業よりも、まだ無名だけど成長途上のベンチャー企業に行くことにした。だって例えば、これからトヨタとかが売上2倍、3倍、4倍・・・と成長していく可能性と、おれの行くベンチャーの売上2倍、3倍、4倍・・・と成長していく可能性だったら、まだ後者の方が確率高い。
しかも、自分個人としてそこにどれがけのインパクトを与えられるのかと考えたら、圧倒的に組織規模が小さいほうが、個人に依存する。

なんて考えの下、ベンチャー企業を選んだわけである。

多くの就活生が進むような大企業にも行かず、世間一般で見れば「ばっくれた」部類に入るのだが、若いうちはそれでいいじゃん、と冨山さんのこの本に非常に勇気付けられた。

続きはまた明日。