新年の記憶

あけましておめでとうございます。

昨日、なぜか夢の中に昔の記憶が出てきた。
ちょうど、大学入学後、最初に価値観が強烈に変わった日の記憶が。
なんか気になったので、当時の記憶を辿って回想しちゃいました。

俺は大学3年生の時から、インターンやビジネス系の学生団体に足を踏み出すようになったのだが、なんでそんなことやってるの?とよく周りの人に聞かれます。
一応、下記のような経験があって、今に至ります。
(以下長文です!)

今から約2年前、2006年の2月終わり、ちょうど大学二年生が終わった後の春休みの事。
当時付き合っていた彼女に謎の振られ方をした俺は、
もやもや感が残ったまま何となく日々ダラダラとした生活をしていた。
友人と飲み、愚痴を言い、カラオケしてバイトをして貯まったお金で服を買ったり旅行に行ったり。
生活に特に不満はなかったけど、満足していたわけでもない。

そんな俺を見かねてのか、ある日友人のK君が六本木の店に誘ってくれた。
その時は、六本木に3000円で食べ放題、飲み放題のクラブっぽい店があるんだけど、行かん?って。
クラブとか言うから、飲み会?いやそれとも友人が別れた俺に気使ってコンパでも組んでくれたのかな?って思って行ってみた。

さて、夜の6時、会場に足を踏み入れたら、あらびっくり。
想像していたのと、会場の雰囲気が全く違うのである。
なんというか、堅くて、どんよりしていてすごい緊張感があった。
とても今からコンパが始まる、とは思えないくらいの。

今から聞くと恐れ入るのだが、その日は
橋本ひろしという?キョウデングループ会長(年商3,140億だそうです)が、
日本の一流企業の経営者を招いてトークして歌を披露する、
が趣旨の『ビジネスライブ』というイベントだったらしい。
当然、参加する学生もかなりぶっ飛んでいる人が多かった。
当時の俺はそんな事を知る由もなかったのだが。。

俺はなんか雰囲気おかしいな、と思いつつも、空いていた席に座る。
そうする内に、右隣に座っていた、スーツを着たホストっぽい人がいきなり名詞を渡して話しかけてきた。
(ちなみにこの時、人生で初めて名詞を受け取りましたw)

自己紹介と共に名詞に書いてあったのは、Es Luxoure株式会社代表取締役 与沢 翼 であった。(今ではかなり有名な起業家ですね。)
『?』と俺は思い、『学生ですよね・・?』と思わず聞いてしまった。
学生なのに社長?という事実が、当時の俺の思考の枠からは完全に外れていたからだ。
『はい、学生ですよ。』と『でも、一ヶ月前に起業しました。』

そして、周りの話を聞いてみると、俺の前にも学生起業家、左側の人も学生起業家。
斜め前は何とかっていう学生団体の代表、どこどこの企業にインターンして、売上を2倍にした、とかっていう話をしていた。

うわ、めっちゃ場違いなところに来ちゃってよってのが最初の素直な印象だったw
そしてそれは何でここにきちゃったんだろう?という後悔に変わる。
そのうちイベントが始まって橋本さんと経営者の方のトークが始まるが、
そんな思いを一人感じていたせいか、頭がぼーっとしてトークはまるで耳に入らなかった。

でも3000円も出しているのだし、黙って帰るのは勿体無い。
せめてこの横にいる、一番最初に名刺を渡してくれた与沢さんと話してみよう、何か聞けるかも、と思って話しかけてみた。
『なぜ起業されたのですか?』って。

話してみてさらに圧倒された。
彼は起業した理由、彼自身の生い立ち、企業理念、ビジネスモデルから日本の社会までを一気に俺に語ってきた。
最初は何でこんな真面目なことをやっているのだろう?という印象だったが、
話を聞いているうちに彼は本気なのだな、という事は当時の俺でも理解できた。
言葉に信念があり、重みがあり、気迫があった。
それが伝わったとき、急に彼がものすごくカッコよく見えた。
めちゃめちゃ輝いていた。
正直羨ましかった。(今思うと、その裏にある苦悩や失敗も知らずに、いい所だけを見て羨ましがるのも問題なのだが。。)
経営に人生をかけている、こんなにも本気になれることがあるなんて。

と同時に、何か自分がすごい惨めに思えた。
『それに比べて、俺何にやってるんだろう?』って。
それぐらい、日々を真剣に生きてなかったんだなって。
あの時の、自分が急にちっぽけに思えたときの気持ちは今でも覚えているほどです。。

そして不意に、与沢さんに『ふくえい君は将来何したいの?起業?』って聞かれた。
当時の俺の将来に対する考えなんて『大学卒業して大学院進学して、製薬会社とかの研究職かなぁ』ぐらいにしか考えていなかった、いや考えた事がなかった。
なので、答えきれず、『うーん、研究職かな。』と濁しながら答えた。
『お、いいじゃん!それで、研究してその後はどうするの?』とさらに聞かれた俺はそのまま『・・・』と答えられなかった。
彼も俺があまり深く考えていなかった事を察したのか、それ以上は何も聞かずに
彼自身の理系ベンチャーに対する考え、今後のビジョンを熱く語りだした。
それを聞きながら、俺自身の今までの価値観や思考の枠組がだんだん崩れていくのを感じた。
何かに大して本気になること。
日々を本気で生きること。
将来に対して本気で考えること。

そして、もっと世の中を知りたいと思った。
彼みたいに輝きたい、と思った。
と同時に、今の惨めな自分を改善するために何かしなくちゃ、という危機感も感じた。
帰り道、雨が降る中で六本木を歩きながら。

モチベーションの源泉は大きく分けて
?希望、願望(将来こうしたい、こうなりたい)
?危機感、現状への不満(このままじゃやばい現状への不満) があると思うが

当時の俺は、彼みたいに輝きたいという二割の願望と
このままじゃ惨めだという八割の現状への不満からなるモチベーションで
その後インターンやビジネス系の学生団体などに足を踏み出していったわけです。
結局、後に成長願望のみになってしまい、また自分のみが成長できれば良いという利己的な思考のお陰で一時はかなり苦しむことになるのだが。。(**)

あの時に友人が俺を招待してくれなかったら、多分今の俺はなかったかけだから、その点はすごい感謝してます。

今も当時も、約2年の時間を経ても、人の熱さに感化されて自分も熱くなって行動に移す、という事に変わりはない。
ただ、今の俺は輝けているのかなとたまに思うことがある。
なので先日、とある懇親会で?ベンチャー・リンクの的場氏に、あきらって一人だけ異質なオーラを放っているね、って言われたときには結構嬉しかったw

(**)の続きはまた気が向いたら書きます。

この日記で自分の価値観が変わった瞬間の記憶を、アウトプットとして残して置き
そして最近だれてるな、と思う日はこの日記を読み返して当時を思い出してみようと思います。

では。